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もう迷わない!配当控除のお得ラインは年収いくら?仕組みを徹底解説

資産形成

こんにちは、現役薬剤師のふぁるせです。

実は配当控除、以前より「お得」と言える範囲が狭くなっているのをご存知ですか?令和6年度の税制改正で、ある抜け道が使えなくなったからです。

この記事を読めば、今の制度でどこまでが本当にお得なラインなのか、自分で判断できるようになります。

そもそも配当控除とは

配当控除は、日本の株式投資をしている人が使える税額控除の制度です。

なぜこの制度があるのかというと、「二重課税」を調整するためです。会社が利益を出すと、その利益にはまず法人税がかかります。そして残った利益から配当金が支払われると、今度は受け取った個人に所得税・住民税がかかります。同じ利益に対して二重に税金がかかっている状態ですね。

この二重課税を緩和するために、配当金を受け取った個人が確定申告で「総合課税」を選んだ場合に、一定の税額を差し引いてもらえる。これが配当控除の仕組みです。

要するに「配当控除を使うには、確定申告で総合課税を選ぶ必要がある」という点が最大のポイントです。

配当金にかかる3つの課税方式

配当金を受け取ったとき、実は課税方法を3つから選べます。これを知らないと、そもそも配当控除を使うかどうかの土俵にすら立てません。違いを以下の表にまとめました。

課税方式の主な違い一覧表

課税方式手続き税率(合計)配当控除株の売却損との相殺主な向き不向き
申告不要制度何もする必要なし(源泉徴収のみ)20.315%手間を一切かけたくない人向け
申告分離課税確定申告が必要20.315%含み損の株を売って損が出た年など
総合課税確定申告が必要累進税率
(所得で変動)
所得が低めの年に有利になりやすい

証券口座を「特定口座(源泉徴収あり)」にしていれば、通常は一番上の「申告不要制度」になっており、何もしなくても税金の精算は終わっています。

一方で、確定申告をすることで「申告分離課税」か「総合課税」のどちらかを選ぶこともできます。配当控除が関係してくるのは、この「総合課税」を選んだ場合だけです。

令和6年度から「いいとこ取り」の抜け道が消えた

実はこの配当控除、以前の住民税までは今よりもずっとお得に使える制度でした。当時は、所得税と住民税で「別々の課税方式」を選ぶことができたんです。つまり、

  • 所得税:総合課税を選んで配当控除を使う
  • 住民税:申告不要制度を選んで住民税への算入を避ける

という組み合わせが可能でした。所得税側で控除の恩恵を受けつつ、住民税や国民健康保険料への影響は完全にスルーできる。まさに「いいとこ取り」でした。

税制改正で一致させるルールに

ところが税制改正により、所得税と住民税の課税方式を完全に一致させることになりました。今は、所得税で総合課税を選べば、住民税も自動的に総合課税になります。「所得税だけ総合課税」という選択はもうできません。

この結果、総合課税を選んだ場合の住民税の負担も必ずセットで発生するようになりました。

具体的には、課税所得1,000万円以下の場合、通常の住民税率10%から住民税分の配当控除2.8%を差し引いた「7.2%」が、総合課税を選んだ場合の実質的な住民税負担率になります。

申告不要制度を選んだ場合の住民税は5%なので、総合課税の方が2.2ポイントも住民税が重くなってしまうのです。

💡 国民健康保険加入者はさらに注意!

国民健康保険に加入している方(自営業・フリーランス・一部の派遣など)は、総合課税で申告した配当所得がそのまま「国保料の計算」にも影響するため、保険料が跳ね上がるリスクがあります。一方、会社員や派遣社員として協会けんぽ・健康保険組合(社会保険)に加入している方は、保険料が給与ベースの「標準報酬月額」で決まるため、この配当分の影響は受けません。

社会保険についてはこちらで詳しく説明しています。
▶︎【あわせて読みたい】【手取り増】派遣薬剤師が4〜6月にあえて「働き控える」裏ワザ!社会保険料を下げて新NISAへ回す方法

なぜ「配当控除=お得」と単純に言えないのか?

答えはシンプルで、総合課税は給与所得など他の所得と合算して税率が決まる「累進課税」だからです。

所得が高くなるほど税率も上がるため、「控除をもらうために総合課税にしたら、元の税率が高すぎて逆に損した」という逆転現象が起こります。

では、具体的に「いくらまでなら総合課税(配当控除)がお得なのか」、実効税率の計算を一覧表にしてみました。

総合課税(配当控除あり)の損得ライン

※課税所得1,000万円以下、通常の国内株式(所得税10%・住民税2.8%控除)の場合。復興特別所得税を加算して計算。

課税所得金額の目安本来の所得税率総合課税(配当控除後)の実効税率(所得税+住民税の合計)申告不要・分離課税(一律20.315%)と比べて
330万〜694万9,000円20%17.41%🔴 約2.9%お得!
695万〜899万9,000円23%20.473%🔺 ほぼ変わらない(トントン)
900万〜1,000万円33%30.693%大損(やる意味なし)

(数値参考:国税庁「No.1331 上場株式等の配当等に係る申告分離課税制度」)

この表のとおり、明確にお得になるのは「他の所得を合わせた課税所得が695万円未満」の年だけです。

💡 「課税所得695万円」って額面年収だといくらくらい?

「課税所得」と言われてもピンとこないかもしれませんが、一般的な会社員・派遣社員(独身などの場合)だと、額面年収でおよそ1,100万〜1,200万円あたりがこのボーダーラインになります。

「自分の年収はそこまで届いていないな」という方であれば、税率の面だけで言えば基本的には総合課税(配当控除あり)を選んだ方がお得になるケースがほとんどです!

⚠️ 要注意!株の「売却益」は総合課税にまとめられない

ここで多くの方が勘違いしやすい重要な注意点があります。確定申告で「総合課税」を選んだとき、すべての投資の利益が合算されるわけではありません。

株や投資の利益は、その中身によって税金の計算ルールが分かれています。

〇 総合課税にまとめられる利益(合算して税率を下げるチャンスあり)

  • 給与所得(派遣や会社員の給与)
  • 配当所得(※確定申告で総合課税を選択した場合のみ!)
  • 事業所得(副業やフリーランスの利益)
  • 不動産所得(家賃収入など)

✕ 総合課税にまとめられない利益(別枠で一律の税金がかかる)

  • 上場株式等の売却益(必ず「申告分離課税」となり、一律20.315%)
  • 投資信託の売却益(同上)
  • FXの利益・暗号資産(仮想通貨)の利益(それぞれ別ルールの分離課税や雑所得)

総合課税にして配当控除でお得にできるのは、あくまで「配当金」だけです。株を売って出た「売却益(値上がり益)」については、どれだけ所得が低い年であっても税率を下げることはできません。「株の儲けが全部安くなる!」と誤解して申告しないように注意してください。

【結論】多くの会社員・派遣社員にとっては「総合課税」一択

ここまで少し難しい税金の話をしてきましたが、結論はとてもシンプルです。

前述の通り、配当控除(総合課税)の明確な損得ラインは「課税所得695万円」です。これを一般的な会社員や派遣社員の額面年収に直すと、およそ1,100万〜1,200万円あたりになります。

つまり、日本で働く大半の会社員・派遣社員の方は、この「お得になるゾーン」に収まることになります。

私は医療費控除で毎年確定申告をする必要があるため、「自分の所得状況がこのボーダーラインを超えない」と分かっている年は、「総合課税」を選んで配当控除もきっちり受け取っています。特定口座のまま何もしない(申告不要)のと比べて、少しの手間で配当金にかかる税金を確実に抑えることができるからです。

もしご自身の年収がこのボーダーライン(額面年収1,100万円超)に届いていないのであれば、基本的にはあれこれ試算して悩む必要はありません。「総合課税を選んで配当控除を受ける」のが、一番手取りが多くなる正解ルートになります。

まとめ

配当控除は二重課税を調整するための制度ですが、税制改正によって「住民税だけスルーする」という裏ワザがなくなり、お得になる範囲は狭くなりました。

  • 課税所得が695万円未満(年収目安1,100万円以下)なら総合課税(配当控除)がお得!
  • ただし、株の「売却益」は総合課税にできないので注意
  • 国民健康保険加入者は、保険料への影響もセットで考える必要がある

症状によって効く薬が違うように、資産形成の正解も人それぞれの状況によって変わります。配当控除についても、「みんなが使っているから」ではなく、自分のその年の所得状況に合わせて都度判断することが大切です。
なお、税制度は定期的に改正されます。今後また配当控除のルールに変更があった場合は、このブログでいち早く修正版の記事をお届けしますね!

⚠️ 注意

この記事は制度の仕組みを理解するための一般的な解説であり、個別の投資判断や税務相談を代替するものではありません。税制は改正されることがあるため、実際の申告時は最新の情報を国税庁のサイト等でご確認いただくか、税理士にご相談ください。

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